1925年製GAVEAU モデル1 (1m52)
鍵盤のブッシングフェルトを調整しながら、鍵盤を鍵盤オサに収めました。
鍵盤の一つに、「Gaveau 1-1925」と鉛筆で書かれてありました。
昔鍵盤を作った職人が書いたのでしょう。
また、「SCHWANDER」という刻印から、シュワンダー社というピアノアクション専門の会社によって作られたことがわかります。
もっと昔はガヴォー社の中でアクションも鍵盤も、何もかも全てを作っていたのですが、この時代は分業化が進み、アクション専門の会社が下請けをするようになりました。
国産ピアノ全盛期の浜松でも分業世界だったそうですね。しかし、自工場でアクションを作り、鋳物も吹いて・・の時代を経験された技術者の作ったピアノと、完全に分業が定着し鋳物やアクションは外注しか知らない人の作ったピアノとでは同じ外注部品ピアノでも何か違いのあるような気がしてなりません。それが結局、音色の一貫性とか説得力というものにつながってるのでは？と素人考えしております。
返信削除やはり自社の中で全ての部品を作っていれば、全ての工程においてそのメーカーのこだわりを反映させられるし、一貫した個性を持つピアノができていたのだと思います。エラールやプレイエルはかなり遅くまで自社のオリジナルアクションにこだわり、頑張っていました。ただ、時代の流れの中で柔軟にならなければ続けていけなくなってきて、分業化することで効率良くしかも高品質を保つことができるならば、となってきたのでしょう。頑固だったエラールやプレイエルもやがてそうなりました。
返信削除もともと一人の職人が一台全部を作るものだったチェンバロやフォルテピアノから発展したピアノですが、部品が多様化、複雑化し、工業製品となり、大量生産できるものとなり、分業化を余儀なくされてきた歴史があります。各メーカーは、制限ある条件の中でどうやって自社の個性を保とうかと頭をひねってきたことでしょうね。
確かにおっしゃる通り、全ての工程を知っている職人たちが作り上げたピアノと外注部品を合わせて組み立てて作ったピアノとでは、たぶん説得力の違う結果になるのでしょう。職人のピアノに対する思い入れとか情熱なども影響すると思われます。もの作りというのはそういうものですよね。
しかしながら別の視点から言うと、シュワンダー社のようなアクション専門会社が出来、世界的にアクションの形が統一され、広くみんなにとってアクセスしやすくなったのも事実です。例えばこの1925年製ガヴォーのアクションは今のアクションとほぼ変わらないので、昔のピアノを知らない調律師でも簡単に調整することができます。同じ時代のエラールやプレイエルのアクションは特殊なオリジナルアクションなので、知らないとちょっと難しいです。そういうわけで、良いピアノであっても広く世間に出回りにくいです。
様々な側面が考えられますので、これが良いと一概には言えないと思いますが、それぞれに良いことがあり、どの時代のピアノも愛すべき側面を持っているようには思っています。明子
そうですね、私のピアノもレンナー製アクションだったので、古いのに全く問題なくリプレイスできました。逆に、動画で見る見事な音のエラールやプレイエルがそんな難しいアクションで復活しているとは知りませんでした。
返信削除本業が機械屋なのですが、100年続くウチの工場でも昔は殆どの部品を内製していましたが、今や専門メーカからの買い物が多いです。専門メーカの品はさすがに高性能で、しかも安いですね。内製時代の工作機械の残骸が残ってたり、おじいさん達もその技術をほぼ忘れかけという感じです。ただ、その気になればもう一度自分で作れない事も無い工場が外注するのと、自分では何も出来ない工場が外注するのとではやっぱり技術力が違いますね。数字を満たしていればそれで十分、な工学の世界ですらこうなのだから、感性の世界の楽器などはもっとその傾向が強いのではと、想像しました次第です。分業でそれぞれ専門メーカの品を使うようになっても、何とか自分たちでもその気になれば作ることの出来る技術力を保つ方法はないものかと、頭をひねっております。ピアノの世界で言いますと、量産工場ではなく、古い欧米のピアノを一品一品直しておられる工房に真の技術はあり、と言ったところでしょうか。
そうですか。どの業界でも同じようなことなのですね。おっしゃる通り、今の時代に見合った仕事をしながらも昔からの技術や精神を忘れずにいきたいものですね。昔の人や遺産から学ぶことを心がけることにより、少しでも継続していくことが今の私たちにできることでしょうか。お互い頑張りましょう。明子
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