2014年11月7日金曜日

1911年製エラール シェラトンスタイル 6本脚のキャスターの秘密 追加

 
 
  
1911年製エラール シェラトンスタイル
キャスターの中に入れられているバネについて、私の大師匠である森田さんよりご教示いただきました。
ピアノは全体で20トンもの弦の張力がかかる楽器で、それを木と鉄骨で支えているのですが、長い年月の間にはどうしても本体にねじれが発生します。
その結果、キャスターが浮いてきてしまいます。
宙に浮いたキャスターはガラガラと音がしてしまうので、その雑音防止のためにバネが入れられているそうです。
 
ピアノのねじれは大きな問題で、グランドピアノだけでなくアップライトピアノにも起こります。
チェンバロやフォルテピアノも同様です。
各メーカーが解決策を模索してきました。
張力に対抗するため、硬い木や鉄を入れて補強することから始まり、やがて一体型の鋳物の鉄骨が発明されました。
エラールやベヒシュタインはケースと鉄骨を一体化することで強度を増そうとしました。
スタインウェイがサウンドベルを取り付けることでねじれ防止に成功したのは素晴らしい発明でした。
 
ねじれの問題は、修復家にも引き継がれます。
修復家でねじれの問題に対する解決策を生み出したのが京都の森田さんです。


0 件のコメント:

コメントを投稿