2022年11月30日水曜日

1897年製エラール モデル1 後戻り

 


1897年製ERARD モデル1 平行弦グランドピアノ2m12
張弦を終えて、さあ仕上げに入ろう、もうすぐ完成だと思っていたら、大変な問題が発覚してしまいました。
ピン板を下から覗くと、亀裂が入っていました。
大変ショックを受けました。どうしよう、解決方法があるだろうか・・・。

色々な場所をチェックし、様々なことを考えてみると、この亀裂の兆候はすでに修復前からあったことがわかりました。
そのせいでピン板が微妙に前傾し、調律を保てない、また調律をしていると次々に弦が切れました。
今となれば、それらの原因はこれだったと説明がつきます。

私の失敗は、修復前にこの亀裂を見つけられなかったことでした。
ピン板の下に厚さ3mmほどの薄い板が貼ってあり、それが半分程度剥がれていたので、ピン板が怪しいとは感じていたのですが、板を剥がして確認してみた時に何も見つからなかったので、大丈夫だと思って修復を続けました。
しかし、弦を張ってテンションを上げた時に、亀裂がはっきりと現れました。
私が確認したのは、古い弦を取り外した後だったので、テンションがかかっていない状態だったのです。
それで割れが開いておらず、見つけられなかったのでした。
もし弦を取り外す前に、薄板を剥がしてピン板を確認していたら、きっとその時確認できて、こんなに修復を進めてしまう前に何とかできたと思うと、後悔と反省です。

色々考えたのですが、やはり完全に修復するためには、ピン板を交換するしかないと思いました。
エラールのピン板交換は恐ろしく大変な仕事なので、交換までしなくても何とか修理したいという気持ちは強いのですが、やはり後から問題が起こってしまったら何にもならないので、勇気を出して、交換に踏み切ることにしました。

せっかくここまで進んできた修復ですが、後戻りします。
再び弦を取り外し、ピン板の修復にかかります。
私自身、エラールのピン板交換の経験は少ないので、フランスの仲間に相談したところ、たくさんの細かいアドヴァイスと写真、そしてエールを送ってくれました。
いつか誰かの役に立つこともあるかもしれないと思いますので、修復の過程はブログでお知らせしていきたいと思います。



STOP WAR !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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