2020年11月24日火曜日

ポストショパン時代のエラール VS プレイエル 響板修復1(プレイエル)

修復前の響板

響板の割れ(上から糊を付けられている)


糊を剥がして割れを開く

開いた割れにぴったり収まるよう、埋め木材を加工

埋め木材を糊付け

飛び出た木を削って平らにする

すべての割れの埋め木が完了

1860年製PLEYEL モデルPetit Patron グランドピアノ 2m20
響板の割れやヒビを埋め木しました。
木でできているものは、金属やプラスチックと違い、湿気を吸ったり吐いたりして呼吸をしています。
そのため、長い年月が経つと割れてくることが多いです。
しかし、修復が可能だということが、木材の良いところだと思います。
よほど傷んでいない限り、修復することができます。
ですから、100年経っても150年経っても、ピアノは再び甦ることができます。

2 件のコメント:

  1. いつも勉強になっております。
    割れていても使えるし、埋め木も出来る、というのは理解できるのですが、
    古いギターのように、響板の微妙な膨らみが落ち込んでしまって楽器として終わっているピアノでも、埋め木その他で直すことが出来るのでしょうか?

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    1. いつも読んでくださりありがとうございます。
      響板の膨らみが落ち込んでしまう場合は、ピアノにもあります。
      弦圧がなくなってしまう、またはマイナスになってしまうのは困るので、多少の場合なら鉄骨の高さや弦枕の厚みを調節して解決しますが、大きく落ち込んでしまった場合は、響板にクラウンを取り戻す修理をするか、響板を新しく作り替えるか、が必要になってきます。
      ただ、そういう場合は少ないので、私はやったことがありません。

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