2020年10月17日土曜日

ポストショパン時代のエラール VS プレイエル 比較にあたって条件の違いの確認

1857年製エラール



1860年製プレイエル 



1857年製ERARD モデル2 グランドピアノ2m12
1860年製PLEYEL モデルPetit Patron グランドピアノ 2m20
同時修復をしながら、比較していきたいと考えていますが、条件の違いも考慮に入れておかなければなりません。
本来ならば、同じ年に製造された同じ大きさのピアノで比較すべきですが、そんな贅沢は叶いませんので、今あるものでできる限りの比較を試みます。

1857年製ERARD モデル2
製造:1857年フランス(パリ)
製造番号:29503
構造:平行弦 / 鉄のバーと板の組み合わせ鉄骨
寸法:2m12
鍵盤:82鍵
アクション:エラールオリジナル(ダブルアクション)
外装:ローズウッド / 真鍮の象嵌


1860年製PLEYEL モデルPetit Patron
製造:1860年フランス(パリ)
製造番号:28896
構造:平行弦 / 鉄のバーと板の組み合わせ鉄骨
寸法:2m20
鍵盤:85鍵
アクション:プレイエルオリジナル(シングルアクション)
外装:ローズウッド


ピアノの比較にあたり、一番大きな条件はピアノの大きさだと思います。
一般的に、ピアノは大きい方が良い楽器です。
響板を大きく取れることで音量や響きが増しますし、アクションも大きく作れる方が理想的なタッチが得られます。
またメーカーでも大きいピアノ製造には節約することなく高品質な材料を使う場合が多いです。
今回のエラールは2m12、プレイエルは2m20ですので、プレイエルの方が有利です。

また、エラールは1857年製、プレイエルは1860年製と製造された年代に3年の差がありますが、この時代の3年は大きいと思われます。
ピアノ製造が劇的に発展していった時代ですから、3年前と3年後とでは設備も技術も格段に違っていたことでしょう。
ですからその点でもプレイエルが有利です。

一方、1780年に創業したフランスで一番の老舗のエラールと1807年に創業したプレイエルとでは、27年の経験の差があり、製造番号を較べても分かりますが、エラールは1857年にすでに29503台目のピアノを製造しており、プレイエルは1860年でも28896台目と、経験数では遅れています。

以上のような条件の違いを頭に置きながら、比較を進めていきたいと思います。

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