フランス・パリのピアノ修復工房で10年半働き、帰国して東京で仕事を始めたピアノ調律師です。 パリで知った戦前のフランスピアノの魅力を日本の皆様にもお伝えしたいと考えています。 このブログでは、ピアノ調律師として、修復師として、また一人の人としての日々の活動をご紹介していきます。
2020年7月17日金曜日
1911年製ニューヨークスタインウェイ ケース1
1911年製STEINWAY & SONS グランドピアノ1m80
ケース磨きを始めました。
思いのほか大変で、苦心しています。
このピアノは、オリジナルのニスはフレンチポリッシュの美しい仕上げが施されているのですが、後から何かの塗料を塗られてしまって木目がほとんど見えない状態でした。
磨くときれいになってくるのですが、一番下のきれいなニスまで剥がしてはいけないので、手作業で地道にやるしかありません。
何度も何度も磨きを繰り返していると、ようやくきれいな木目が現れてくるのですが、手や腕も痛くなってきて、非常に時間がかかっています。
また、後から塗られた塗料にムラがあることでも苦労しています。
どうもピアノを解体しないでザーッと吹き付けたようで、非常に手荒な作業だったと思われます。
おそらく日本に来る前にアメリカでされた作業なのだろうと思いました。
日本人ならこんな雑な仕事はしない!というのは偏見かもしれませんが、しないと思いたいですね。
ともかく、完璧には出来なくても、できるだけきれいにして美しいピアノを甦らせたいと思っています。
いっそのこと全部剥がして新しい塗料を塗り直す方が楽なのですが、オリジナルのようなフレンチポリッシュは出来ませんし、現代的な塗装をすると風格が全く別物になってしまいますので、今回はこのやり方でいきます。
さてどこまできれいにできるかな?
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