2017年2月23日木曜日

1925年製ガヴォー 大屋根の表側





1925年製GAVEAU モデル1 (1m52)
大屋根の表側
ニスを剥がし、サンドペーパーできれいにした後、ワックスを塗りました。
太陽のモチーフを寄木細工にしたデザインがとてもエレガントです。
自然の木目を用いて模様を作って貼り合わせていく非常に細かい仕事ですが、合わせ目も完璧で、昔の職人の技術とセンスと忍耐力には頭が下がります。

このようなお洒落な寄木細工の家具を、昔のフランス人は好んで作りました。
ドイツやアメリカ、日本のピアノなどには殆ど見られませんが、フランスのピアノには多くあります。
当然の事ですが、当時シンプルな木目のピアノよりも高価な値段が付けられていました。

ガヴォー社は、エラールやプレイエルより遅れて創業しましたし、他の優秀な二社に対抗して独自のピアノを目指そうと、外装に力を入れたお洒落なピアノをたくさん作りました。
それもコンサート用などの大きなものではなく、小さな家庭用のピアノにお洒落なデザインを施し、広くみなさまに愛されるピアノを生産しました。
このピアノもきっと、どこかのちょっと裕福な家で娘のためにと購入され、家の家具と調和しながら家庭の音楽に用いられたものなのでしょう。
お洒落だけど気取りすぎない、親しみやすいピアノ、それがガヴォーの特色のような気がします。


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