19世紀のパリに生き、ピアノ製作の発展に大きく貢献したジャン・アンリ・パープは、一代しか続かなかったため、ピアノ界ではその名を忘れられています。
しかし、彼の様々な発明のおかげで今のピアノがあることを考えると、決して忘れてはならない人物だと、私は思っています。
有名な発明は「ハンマーフェルト」と「交叉弦」です。
それまで革が巻かれていたハンマーにフェルトを巻き豊かな音色を出せるようにしたことと、弦を交叉させることで小さなサイズのピアノでも低音弦の長さを確保できるようになったこと、この二つの発明は、私たちのピアノが出来上がるためにとても重要な革命でした。
しかしそれだけではありません。
頭の柔軟な発明家であったパープは、生涯で140もの特許を申請しました。
その中には、ピアノに関する発明だけでなく、他の楽器に関するものや、アトリエで使う木工機械や照明システム、暖房システムについてなど、多岐に渡る発明が含まれます。
ピアノについても、様々な形のピアノを考案し、数多くの試作を経て発表しました。
一体彼の頭の中はどんなだったのだろう?一体彼はどんな人物だったのだろう?
その奇想天外な発明と、発明を現実化してしまう技術、そして何度も失敗を重ねながらも試作品を作り続ける根性と忍耐力を考えると、とても尋常の人間とは思えません。
残されている資料が少ない中で、私が見つけられるものはごく一部だとは思いますが、できる限りの資料を読みました。
日本ではほとんど語られていないジャン・アンリ・パープについて、少しでも皆様にお話しできたら、パープさんを日本へ招待できた!と言えるのではないか、という気がしています。
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