2018年9月28日金曜日

1838年製プレイエル ピアニーノ 修復後の考察6

ショパン時代のプレイエルのハンマーフェルト修復について考察されたDI MARIOさんの論文の翻訳を、ご紹介しています。
原文はこちらです:PDF of Pleyel Hammers in the Chopin Era

ここに掲載している文は私の個人的な翻訳文ですので、間違いや下手な翻訳、下手な意訳もあると思います。
それでも参考になればと思いますので、恥ずかしながら敢えて掲載するものですが、英語を読まれる方は、ぜひ原文で読まれることをお勧めします。
また、原文にはハンマーフェルトの写真も載っていますので、ぜひご覧になると理解が一層深まります。


アンリ・パープと、ショパン時代のプレイエルにおけるハンマーの巻き方について彼が貢献したこと
M. DI MARIO, VARESE, 2012年7月(2016年6月改訂)

4. 1840年の灰色のウサギのフェルトハンマーの一例

前の章で見てきたように、パープと他の製造家たちは彼が発明したフェルトを使い、それは広く受け入れられたのだが、白い羊毛のフェルトがパリで広く使われ始めた時期には論争を呼んだ。

筆者は個人的に、オリジナルの状態のプレイエルピアノのハンマー3セットを観察し、写真撮影をした。モデル・プティパトロン10941、モデルプティパトロン11126、モデルプティパトロン10966である。10966はロッシーニが購入したものである。

ここに1844年のプレイエルハンマーの写真がある。フェルトは、ハンマーの周囲全体にテンションをかけない状態で糊付けされている。

挿入写真:10941のハンマー 1-5 (M. DI MARIO)

挿入写真:プレイエル10941と11126のフェルトの外側の層 (M. DI MARIO)

11126のハンマーのデザインが、10941のもの、そしてMuseo Nazionale e Biblioteca della Musica di Bolognaに保管されている10966のロッシーニのプレイエルのものと少し違っていることに注目したい。革の層の一つが省略されハンマーウッドのサイズが大きくなっているのは、1840年代後半の典型的な形である。

挿入写真:10966のCCハンマー、Museo Nazionale e Biblioteca della Musica di Bolognaと、
10941のハンマー、M. DI  MARIO所蔵、左から右

挿入写真:11126のハンマー1-4  (Olivier FADINI提供)

挿入写真:
1843年製エラールのグランドピアノに見られる、2層のパープフェルトのオリジナルの一例、修復によりその上にモダンフェルトの厚い層が加えられている。最高音のオクターブのハンマーには1層の軽い灰色のフェルトが残っているのが見られる。

挿入写真:
1840年代のエラールのスクエアピアノのハンマー、オリジナルパープスタイルのフェルトの上に修復による1層の新しい羊毛フェルトが加えられている。

挿入写真:
1830年代のエラールの縦型「ピアニーノ」のハンマー、オリジナルパープスタイルのフェルトの上に修復により1層の新しい羊毛フェルトが加えられている。

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