2018年9月24日月曜日

1838年製プレイエル ピアニーノ 修復後の考察2

ショパン時代のプレイエルのハンマーフェルト修復について考察されたDI MARIOさんの論文の翻訳を、ご紹介します。
原文はこちらです:PDF of Pleyel Hammers in the Chopin Era

今日から掲載するのは私の個人的な翻訳文ですので、間違いや下手な翻訳、下手な意訳もあると思います。
それでも参考になればと思いますので、恥ずかしながら敢えて掲載するものですが、英語を読まれる方は、ぜひ原文で読まれることをお勧めします。
また、原文にはハンマーフェルトの写真も載っていますので、ぜひご覧になると理解が一層深まります。


アンリ・パープと、ショパン時代のプレイエルにおけるハンマーの巻き方について彼が貢献したこと
M. DI MARIO, VARESE, 2012年7月(2016年6月改訂)
1. 前文
ショパンが生きていた時代に製造されたフォルテピアノの修復については、オリジナルの状態を保っているピリオド楽器の不足により多くの疑問と困難を伴いながらも、適切な方法が明らかになってきている。
1世紀半以上も経ち、個人市場に出回る中で、大多数のピアノが弱ったオリジナルのハンマーフェルトを失ってしまった。1800年~1850年の時代は、フランスのピアノ製造界において様々な設計そして開発の絶頂期であった。現在のピアノ市場では、1800年代後半にスタインウェイが発展させた設計をもとにした同一の基本設計のピアノがほとんどすべてを占めている。現代の音楽家や修復家にとって、ロマン派の作曲家の時代のピアノと現代のピアノとの本質的な違いを理解することは、しばしば困難である。

不幸なことに上記のような理由で、修復家たちは、当時どのような種類の材料が使われていたのかを検証するのと同様、製造家が目指していたオリジナルサウンドの美学がどのようなものであったのかについても推測に頼らざるを得なかった。ハンマーの外側の巻き方は、ピアノの全体的な音色を左右するのと同時に、音量の幅、とりわけピアニッシモやメゾフォルテの演奏に影響する。我々は当時のすべての製造家が異なる「サウンド」と技術的アプローチを持っていたことを考えるとき、証拠の欠如のもとに我々が誤りを犯す可能性の潜在的に大きいことを悟るのである。

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