2014年3月10日月曜日

エラールの歴史 その13


Mon bien cher Oncle - Correspondance de Pierre Erard à Sébastien Erard
(ピエール・エラールよりセバスチャン・エラールへの手紙、Laure Barthel , Alain Roudier編)
 

エラールの歴史 その13

ピエール・エラールは1855年に59歳で死去した。
20歳で叔父のセバスチャンよりロンドン支店の経営を任され、家族と離れて外国で厳しい仕事と向き合い続けたピエール。
叔父の発明を尊敬し、支援し、世に広めようと努力し、特許を真似されまいと闘い、勉強して叔父の発明を引き継いで完成させた人。

ロンドンのピエール・エラールからパリのセバスチャン・エラールに送った手紙が残されており、l'Association Ad Libitumにより活字化され3巻の本になっています。
セバスチャンやピエールのことが少しでもわかるか、と思い、読んでみました。
ピエールは1814年から1831年の間、実に270通もの手紙を叔父に送っています。
セバスチャンやエラールはどんな人間だったのか、どのような人生を送ったのか、そんなことを知りたいと思ったのですが、一方的な手紙を読んでも良くわからないことだらけで、自分の語学力不足もあり、なかなか見えてはきません。
ただ、後世にまとめられて書かれたものとは違い、手紙というのは臨場感があります。
手紙集を読んで、ピエールとセバスチャンの情熱をひしひしと感じたこと、そして彼らの生きた時代の空気を想像できたことで、彼らに少し近づいた気はしています。

200年近く前の手紙を掘り起し、解読して活字にした研究者達の仕事は膨大なものだったと思います。彼らの熱意にも頭が下がりました。

参考資料:
RIFIORIR D'ANTICHI SUONI-Trois siècle de pianos (Alain Roudier/Bruno di Lenna著)
Mon bien cher Oncle - Correspondance de Pierre Erard à Sébastien Erard (ピエール・エラールよりセバスチャン・エラールへの手紙、Laure Barthel , Alain Roudier編)

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