フランス・パリのピアノ修復工房で10年半働き、帰国して東京で仕事を始めたピアノ調律師です。 パリで知った戦前のフランスピアノの魅力を日本の皆様にもお伝えしたいと考えています。 このブログでは、ピアノ調律師として、修復師として、また一人の人としての日々の活動をご紹介していきます。
2019年10月22日火曜日
1945年製ガヴォー クラポー 鍵盤蓋2
1945年製GAVEAU モデル・クラポー(小型グランド1m33)
鍵盤蓋の金具を磨いて取り付け、フェルトを新しく貼り替え、鍵盤蓋が完成しました。
ピアノに取り付けてみると、美しさに満足です。
これで全ての外装の塗り替えが終わりました。
古いニスをはがしてワックス仕上げにするのは、大変な作業で時間も労力もかかります。
特に今回のニスはモダンな分厚いニスだったので、はがす作業はニスが硬くて力が要り、手が痛くなりながらの作業でした。
ワックスも、一度塗っては磨いて乾かす時間をおき、何日もかけながら各パーツ5回程度塗りましたので、時間がかかりました。
手は痛いしホコリまみれになるし、こんなこと始めなければ良かったと思う時もありましたが、やはり完成してみると、その美しさに苦労も報われました。
このピアノは、ローズウッドとシカモアの対比がアールデコ調の形のデザインに組み込まれています。
ローズウッドもシカモアも、分厚いニスをはがしてワックス仕上げにすると木目の美しさがグッと現れました。
ローズウッドの方には少し色の付いたワックスを擦り込み(日焼けで色褪せた部分を補えるので)、シカモアの方には無色のワックスを擦り込みました。
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