2014年2月28日金曜日

エラールの歴史 その8

1820年頃のエラール・ハープ
(Gallica.bnf.fr/Bibliothèque nationale de Franceより)

DALVIMARE作曲ハープのための3つのソナタ
出版マドモアゼル・エラール1800年
(Gallica.bnf.fr/Bibliothèque nationale de Franceより)
 


エラールの歴史 その8

エラールは、ハープ製作の発展にも大変貢献した。
19世紀初頭に、エラールのアトリエでモダンハープが発明される。
モダンハープとは、当時「harpe Erard」と呼ばれたもので、現代のハープの原型となった。

枠の中に弦が張られた竪琴に足ペダルを付けて調を変えられるようにしたのは、1697年バイエルンのGeorg Hochbrukerの発明であった。
初めは、5ペダルシングルアクション(5音を半音ずつ上げられる)だったのが、1720年頃に2ペダルが追加され、7ペダルシングルアクション(7音を半音ずつ上げられる)となる。
エラールはさらに工夫を加え、7ペダルダブルアクション(7音を半音ずつ上げることと下げることができる)を発明した。
この発明により、ハープ演奏の可能性が大きく広がり、ダブルアクションのための曲が作曲されるようになる。

ロンドン支店を経営していたピエール・エラールは、叔父のセバスチャンが発明したダブルアクションのハープを広めるために尽力した。
彼は、自らハープのレッスンを受け、ダブルアクションのための曲を作曲し人前で弾くなどして、エラール・ハープをアピールした。
当時はシングルアクションに人々が慣れていたことや、周囲に競争相手のハープ製作者が多くいたことなどもあり、ピエールの仕事は楽ではなかったようだが、人々は次第にダブルアクションのハープに魅せられ、購入者も増えていく。

参考資料:
RIFIORIR D'ANTICHI SUONI-Trois siècle de pianos (Alain Roudier/Bruno di Lenna著)
Mon bien cher Oncle - Correspondance de Pierre Erard à Sébastien Erard 1814-1817 (ピエール・エラールよりセバスチャン・エラールへの手紙、Laure Barthel , Alain Roudier編集)

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