2017年9月18日月曜日

ショパンとプレイエル9

ワルシャワのショパン博物館に保存されている、ショパン最後のピアノ
(wikipediaより)

マヨルカ島のショパン博物館に保存されている、ショパンが使ったピアニーノ
(wikipediaより)



9. ショパンのピアノ

ショパンが使ったピアノについては、多くの研究者が相当な熱意を持って調べてきました。
謎も多いようですが、現在残されているピアノでほぼ確実にショパンが使ったことがわかっているのは、プレイエルピアノ7台、ブロードウッド1台で、いずれも博物館に保管されています。
それ以外にも、ショパンは数多くのピアノを弾きました。
彼は移動するたびにピアノを取り替えましたし、ピアノが日々改良され、毎年新しいピアノが生み出されていた時代ですので、ショパンも次々と新しいピアノを迎え、生涯で随分多くのピアノを持ちました。
そのすべての記録はありませんので、一体ショパンが何台のピアノを弾いたのかは分かりません。
ただ、その大部分がプレイエルピアノで占められていたことは確かです。

ショパンはなぜプレイエルが好きだったのでしょう?
仕事上の相互利益があっただけでプレイエルと付き合っていたわけではないことは、これまで見てきて明らかです。
プレイエルピアノなくしてはショパンの曲は生まれず、ショパンなくしてはプレイエルピアノは発展しなかった、それほど深い関係の理由は何なのでしょう?
そして果たしてプレイエルピアノに、ショパンの痕跡が残っているのか?
残っているのならそれは何なのか?

この本の中で、著者が一番探りたい問題はそこにありました。
著者もはっきりとした結論は出していません。
著者は、ショパンが弾いたピアノを研究することや、その時代の楽器でショパンを演奏してみることが大切なのはもちろんのことだが、それにとどまらず、修復された昔の楽器を演奏することや、ショパンの時代にはまだなかったモダンピアノでショパンを演奏してみることもまた、ショパンを理解する上で参考になると言っています。
プレイエル社の資料から読み取れることを検証し、またショパンの楽譜から読み取れることを考察し、多方面から総合的にアプローチした著者は、ショパンの曲は当時のプレイエルピアノのキャパシティーを超えていた、と考えています。

ではショパンの求めるピアノとはどんなピアノだったのか?
ショパンの音楽を真に実現できる楽器とはどんな楽器なのだろう?
後世のプレイエルはそれを実現できただろうか?他のメーカーはどうだろうか?

本の最後は、「おそらくすべては始まったばかりだ。」という言葉で結ばれています。

(続く)

参考資料:' Chopin et Pleyel '  Jean-Jacques Eigeldinger著、Fayard出版、2010年

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